第五章 準備期間
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政権は不正データの揉み消しに血気で苦しい言い訳に必死で国会ではいかに答弁を逃げ回るかに終始している。外交に逃げ功績も無し、新たな証拠を突きつけられても前もって言うべきと信じられない答弁をして強引に押し通す。
そんな時、啓介は自分の部屋を乗っ取った警官達に不満をつのらせていた。情報の上では啓介の部屋は基地になる。今まで集めたパソコン達は父の俊紀を含め8人が使っている。面倒なことに巻き込まれたものだと思う。
ニートの人権を守れよ、おい。
テロは脅威だが今あるこの集団も脅威以外なにものでも無い。公安に見張られて行く当てがないのだ。公安自身も何の為の監視なのか聞かされてないだろうが、あれはあの政権の犬だ。
初恋であった佐崎恵はOLで商社で働いているが地下鉄をよく使うとはいえあらかじめ地下鉄を使わないように連絡をしておけば済むことだ。面倒この上ない。
俊紀「おい、啓介。恵を使って作戦を立てたい。しかし、人手が足りなくてな。お前のハッキング能力がいる。お前も参加しろ」
小田「悪いな、画面を見てくれ」
大型タブレットに映る画面を4人で見て、あとの4人は別のタブレットにリンクさせる。相手が襲う場所の地形や地図、武装が映っている。
小田「恵に何ができるのか聞いた。チャリオットを開け閉めできるくらいだからハッキング能力は折り紙付きだ。恵の良いところは複数同時にハッキングできるところだ。数の制限がないのがいい。しかし、恵の存在は相手に知られるわけにはいかない。……わかるか? お前のハッキングが鍵だ。恵が作った目印付きのセキュリティーホールにお前がハッキングして制圧しろ。こちらの技術班もいるがドローンを操作することは得意らしいがハッキングはお前の方が知識は上らしい。……やれるか?ではない。やるんだ」
啓介「あとの人は何をするんです?」
小田「チャリオットの出現後、その危険性を感じて政権に反旗をひるがえした者達を連れそのまま総本山の智脳教逮捕に動く。多くは野党や記者テレビや警官のコネで動くため実質テロを封じるのは、お前も含めて3人だよ。技術班の立林と健吾を付ける。上手く動け」
【前回の記事を読む】狂科学者が行った神をも恐れぬ実験。試験管の中で脳を成長させ続けて…<…