まだALS主治医の山谷先生からも、また訪問医の角川先生からも、生死の期限については何もお聞きしてはいないのです。
それを、いきなり直接関係外の先生から、ストレートに命の期限の質問を浴びせられたので、お答えのしようがありませんでした。この一言には参りました。
帰宅して婿と二人で娘に、あれは医師としてのお立場での発言であることを何度も何度もフォローしました。
「病院」という環境から「自宅」というホームグランドに戻っての話でしたので、娘もかなり心の落ち着きを取り戻しておりました。
一〇〇%までとはいかなくともかなり「神経内科医師」としての専門家としてのお立場からの話及び発言であると、冷静に理解できたようでしたので、ほっといたしました。
ただでさえ、このところ仕事が大変に忙しくなり、夜半までいろいろのデータ、書類作りに忙殺されている娘なのです。
そのうえ、父親の介護も『司令塔は一つにしておかないと統一の支障を来す』ということで、娘が一手に引き受け、身も心もクタクタだろうと思います。
でも、いくら忙しいからとはいえ、身動きはもとより、指一本も思うようにならない人に、一生懸命介護くださる医師、看護師、ヘルパーさんの心情に触発されて動いているのが現状なのです。