ゆったりのんびり

先日、発達障がい児のお母さんたちを対象にした講演会をオンラインで実施しました。テーマは「子どもの発達特性の理解」です。参加されたお母さんは数人だったので、お母さんたちの困りごとを聞きながら、双方向のやりとりの中で、子どもの発達特性の理解について説明していきました。

あるお母さんが、「一歳、二歳、四歳の子どもがいます。四歳の注意欠如多動症の子どもがおもちゃの取り合いで下の子どもを突き飛ばしてしまうことがあり、母親として危ないことを教えるためにいつも怒ってしまうのですが、それで大丈夫ですか?」と質問されました。

刺激が入ると、すぐに反応してしまうという発達特性をお持ちのお子さんについては、まずはその刺激を取り除くことをお勧めすることが多いのですが、そんなに小さいお子さんがいるだけで刺激過多であり、さらにおもちゃがあったらそれを手に取りたくなるのは自然なことです。おもちゃを全部隠すわけにもいかないので、ケンカもするでしょうし、突き飛ばすこともあるかもしれません。

まずは倒れた時にけがをしないように生活環境の配慮をしながら、根気強く突き飛ばすことは危ないことだと教えていきましょう。小学生の発達段階になるにつれておさまっていくと思いますからとお答えしました。

それから、危ないことを教えるのは大切なことですから、子どもを叱った後にお母さんが自分自身を責めないようにしてくださいとお願いしました。

子どもはお母さんの笑顔が大好きです。お母さんが安定していれば、子どもの心も安定する傾向があります。そう説明すると「そうなんです。私が安定していると、子どもも安定しているんですよね」と間髪入れずにお話ししてくれたお母さんがいました。

子どもは赤ちゃんの時からお母さんをモニターしています。お母さんがどういう状態なのかによって自分自身を変化させるのです。この世に生まれて生後数か月から、赤ちゃんはお母さんの心を感じ取ります。

お母さんから失敗を恐れる雰囲気を感じ取ったり、お母さんが緊張した顔をしていると、泣きたい気持ちを我慢して、良い子を演じたりすることもできるのです。

でないと、お母さんから育ててもらえず、この世を生き抜くことができないからです。赤ちゃんってすごいのですよ。

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※本記事は、2021年3月刊行の書籍『隣る人』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。