この本では、この特殊さを丁寧に解説し、実例を挙げながら合格への最短ルートを公開していきます。さらに、一般入試の仕組みはもとより、推薦入試、総合型入試(AO入試)、地域枠、再受験などに焦点を当てて、こうした特殊性をうまく利用して1日も早く医学部に合格するため、受験生とそのご家族にノウハウをお伝えしようと思います。

その際に一番大切なものは何かと考えました。それは現実の姿ではないでしょうか? 実際にどれだけの成績の生徒が、どのような勉強をして、どこに受かったのかということです。こうしたことを赤裸々にリアルに記している書物は店頭に並んでいません。

また、後述しますが「合格体験記」は参考にする点があると思いますが、過信は危険です。当塾でも「合格体験記」を発行していますが、その際に気をつけることは偏らないことです。

いずれにしても、「参考書Aをやった」と書いてあるので、これをうのみにしてやっても合格者と同様の結果が出る保証はありません。ですから、この本では合格者の勉強方法を模試の成績とともに徹底的に公開してリアルを伝えています。面接試験でのやり取りも当校の生徒が経験したリアルなテストです。

ですから、この本を手に取った受験生の方や保護者の方や学校関係者、塾講師、アドバイザーに向けて有用な情報をお伝えしています。特に後述の「ドキュメント『医学部合格までの1年』」では実際の受験生の勉強の仕方と受験指導上のノウハウやポイントについて、これまでの医学部受験のどんな書物よりも詳しくドキュメント的に公開しています。

どうぞ医学部受験に役立ててください。こうした先輩たちの戦いから多くのものを吸収して入試に向かい、一人でも多くの方が合格することを願います。

序 章

2018年7月文部科学省の局長が子息を東京医科大学に裏口入学させ逮捕された事件をきっかけに、厚生労働省は医学部の不正入試に関して各大学へ内部調査を要請しました。

その報告を受け、文部科学省は調査結果の最終報告書で、不正を認めた9校(東京医科大、昭和大、岩手医科大、日本大、神戸大、順天堂大、金沢医科大、福岡大、北里大)を「不適切」と認定し、聖マリアンナ医科大学には「不適切な可能性が高い」としました。


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