博士課程に入っても生活費などはなく、幸い知り合った福井のホーカベレディースクリニック波々伯部院長は4年間生活費を援助してくださいました。

実は1992年11月に福井市左内町で病院をオープンした波々伯部先生は、福井で初めて妊婦さんにリラックスできる気功を導入しようと考えられました。私の友達の紹介で波々伯部先生と会いました。お会いしたときすごく気が合って、そこでアルバイトしながら研究生活ができました。

また、私が福井に来てから2年後、やっと家内と長男を来日させることができました。ビザ申請時、波々伯部先生は保証人としていろいろな手続きをしてくださり、大変助かりました。

波々伯部先生の妹様はピアノの先生で、長男や家内にピアノを教えてくれました。家にピアノのなかった頃は、長男と家内は夜か週末に病院でピアノを練習しました。また、波々伯部先生の親戚である平林幸子さんもいろいろなことで家内や子どもをよく手伝っていただきました。

本当に院長先生およびご一家のお陰で、私は安定した暮らしができ4年間にわたって博士課程で勉強と研究を続けられました。また日本社会の事情を教えていただき、いろいろな知り合いもできました。次男もこの病院で生まれ、一生忘れられません。本当にお世話になりました。大変ありがたくて心から感謝しています。

 
 
 
波々伯部先生と奥様、先生の妹様の息子さん長男

まとめ

人生を変えるには本人の実力とチャンスが必要です。日本語ができたからこそ私は来日できたと言えます。日本で様々なことを体験してすごく勉強になり、交友関係を広げることができました。

勉強は人間の意識を変えます。出会いと研究・進学・就職等は人間の運命を変えるチャンスです。蓄積した知識と見識および人との出会いを集大成して、自分の運を大きく変えることができます。本当の能力あるいは潜在能力や決断力があれば、そしてチャンスに遭遇すれば必ず人間は成長します。

世の中は無限大ですが、一方、自分の知っていることは有限です。いつでもいつまでも謙虚な気持ちで驕らず頑張らなければなりません。

【前回の記事を読む】来日のきっかけをつくってくれた先生との出会い。そして、来日して驚いた日本の凄さ!

次回更新は3月10日(日)、12時の予定です。

【イチオシ連載】結婚してから35年、「愛」はなくとも「情」は生まれる

【注目記事】私だけが何も知らなかった…真実は辛すぎて部屋でひとり、声を殺して毎日泣いた