私たちの春
そして大学入試が終わり合格発表の日が来た。結果は、みごと合格。私は喜びでカラダが満たされた。私は、すぐにリエとユミに報告した。私たち三人は、三人の将来が決まったお祝いをするために、私の家に集まることになった。
二月の下旬、リエとユミの二人が、私の家へやってきた。
「お邪魔します」
「どうぞ上がって。私の部屋で待っていてくれる?」
私はキッチンで温かいミルクココアを作ると、それを自分の部屋へと持っていった。
「カラダが温まるからどうぞ飲んで」
「ありがとう」
「京子、大学合格おめでとう」
「うん。ありがとう」
私たち三人はコタツに入って、ゆっくりくつろいだ気分になっていた。
「私たち三人、進路が決まったね」
「三人三様、全く別々の道になったね」
「私は、まさかリエが結婚することになるとは、一年前は、全く想像もしていなかった」
私は言った。
「本人の自分が一番驚いている」
「リエ、恋愛もしたくないし、結婚もしないって宣言していたものね」
ユミが言った。
「人生、どんな展開が待っているかなんて、全くわからないわね」
私は言った。
「ええ。私も一年前は就職することになるとは、全く考えていなかった。それが出版社に入社することになるなんて。私は、しっかり仕事の指導を受けて、立派な編集者になるつもりよ」
「うん、頑張ってね。私も、まずは管理栄養士の資格を取るために、努力して勉強するわ」
「私たち高校二年の時からの付き合いだものね」
「そうよ。青春時代を共に過ごした親友同士よ」
「リエはアメリカに行っても、オンライン電話で会話することができるよね」
「うん。これからも仲良くしていこうね」
「私たち、高校を卒業しても、ずっと親友でいようね」
私たち三人は、ほほ笑み合った。春は、もうすぐそこまで来ている。私たちの新しい春も、優しい桜の花の色のように、うららかに始まろうとしている。