もう、いいのだ。そんな時代は終わった。取り残されることも無ければ、分刻みのスケジュールにも追われることも無い。今は壊れ切った自分の身体と心の声に耳を傾け、自分自身の神経、特に副交感神経の復活を目指して身体づくりと心づくりをすればいい。そう思えるようになった。

結局、これまでの私自身の「生き方」、特に「保健師」であったが故の「生き方」が今の私の「病苦」を生み、自滅に導いた。そして今、そのどん底から再び蘇ろうとして、もがいてあがいて新たな生き方を模索している。

毎日続く眠れぬ長い長い夜に、これまでの来(こ)し方(かた)を振り返り、同じ轍を踏まぬよう心と身体の在り方、生活の在り方を再構築するための作戦を練り直している。それが今の私の姿なのだ。

更年期に加え、めまいによる退職という不本意な挫折をきっかけに、質実ともに私は第二の人生に突入したのだ。改めて、その現実が理解できた。第二の人生の第一歩は、とにかくマイナスからの出発だ。この「病苦」からの脱却、副交感神経の復活に向けた第一歩を踏み出すのだ。

「漢方薬」「操体法」「寝れなんだら寝るなの心根」。これらとの出会いがあったことで、私は傷だらけの第二の人生をようやく前を向いてスタートさせることができたように思う。

振り返ってみれば、これまでの人生は、ただただがむしゃらに保健師としてひたすら突っ走ってきた人生だった。その結果の末路が今の私の姿だ。けれど、実は私は全くこの末路を後悔していない。保健師として無我夢中で突き進んできた34年の月日を、そして保健師としての生きざまに、実は何の悔いもない。

一方で、このコロナ禍にあって仲間を裏切り、敵前逃亡し、おまけに身体を壊し家族に迷惑を掛け、親にもこの上ない心配を掛けておいて、何を血迷ったことを言っているのかとも思う。

結局は自滅し保健師を辞めざるを得なかった、そんな生きざまをしておいて悔いがないなんて身勝手極まりない笑止千万な言い草だ。自分の健康管理すらもできなくて何が保健師統括かと、そんな誹りを受けるのもやむを得ないことだと思う。

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