11月6日(金)

朝、8時40分頃には、年長さんが4、5人図書室へ入ってきた。

そのうちに、どんどん部屋中がいっぱいになって、あちらこちらで、みんな思い思いに本を読んでいる。

1人の年中さんが「この本読んで」と絵本を持ってきてくれたのをきっかけに、部屋のすみでおはなし会がはじまった。

『どろんこハリー』(注1『こぶたのぶーぷ』(注2『バーバパパのいえさがし』(注3『ピノキオ』(注4を読んだ。4冊続けて聞いている子もいた。

午後は5、6人の年長さんの女の子と一緒に過ごした。

「ついでにペロリ」(注5という素話(注6をした。

普段は開いていない幼稚園の図書室。                         

きっとみんなうれしかったのだろうなあ。

本を読まずにふざけている子もいる。

さあ、どうしようか。とりあえず、様子を見ることにした。

「今日だけ来るの?」と聞かれたので「ずーっと来るよ」と言うと、1人の男の子が「まーちゃんのお母さんは来ないの?」と言う。きっと他のお母さんにも来てほしいのだろうなあ。

図書室の最初の日はこんな感じではじまった。

11月7日(土)

朝、9時から図書室を開けた。50人くらい来てくれた。

1人で本を読む子、本を持って来る年中さんなど。

ある年中さんが「ぼくの読みたい本がない、わからない」と言いながら『くだもの』(注7の本を持って来て、私のとなりでずっと読んでいた。

ある年中さんは、私のところへは来ずに、図書室の真ん中あたりにある机で本を読んでいた。私を見つけて手を振ってくれた。何となく大人っぽく見えたのはどうしてだろう。あとで担任の先生にその話をすると、彼女は1人でじっくりと読むのが好きなんだそうだ。

今日は土曜日。午前中で終わりの日。

帰りがけに園長先生から「図書室では静かにしましょう」という方向付けをしてくださいと要望を受けた。幼稚園児であっても、当たり前のことを当たり前にできるのは、大切なこと。

そんなことを思った。

11月9日(月)

今日は晴天のとっても気持ちの良い日。

朝、園長先生に「今日は気持ちの良い日なので、外へ出るようにうながしてもよろしいでしょうか?」と聞くと「じゃあ、テラスで絵本を読んでみてはいかがですか」と言っていただいたので、椅子と本を持ってテラスへ出てみた。

まだ担任の先生が来ていないので、園庭では遊べないのだそうだ。

みんな外靴に履き替えていても、テラスで思い思いの本を読んでいた。

女の子5人が「本読んで」と言うので、昔話の『さるとかに』(注8を読んだ。そのあと、また、1人が「読んで」と言うので、同じ本を読んだ。

「こんな気持ちの良い日は、外で遊ぼう!」そんなことを思った。

午後は、女の子3人と男の子1人が来てくれた。

「今日から静かな部屋だよ」と言うと「知ってるよ」と静かに本を読んだり、その辺にいる小さな虫をさわったりして遊んでいた。