第三楽章 ときを超えて

Ⅲ ときを超えて

「ときを超えて」

命の旅は つづく

果てしなく遠く、そう見えて

実は、近いのかもしれない

魂は姿を変え、さまざまな旅を体験する

住む場所も、身分の違いも

儚(はかな)い寿命も、大往生のときも

ありとあらゆることを受け入れるだけ

同じ過ちを繰り返すことも

幾度死んだように思っても

魂は、意識は死なない

また、約束をして生まれてくる

今度こそ、後悔しないように

楽しいだけじゃ つまらないかな

もっと、悲しくてつらい思いも体験してみよう

もっと、大胆に生きてみよう

もっと、ゴージャスを味わってみよう

貧しいって、どん底って どんな感じ?

怒り狂うって、どんな感じ?

カラダの痛み、心の痛みって、どんな感じ?

聴こえない、喋れない、見えないってどんな感じ?

動きたいのに動けないって、どんな感じ?

いじわるするって、どんな感じ?

暴力ふるうとどうなるの?

悩むって、どんな感じ?

満たされないって、どんな感じ?

ひとを喜ばすと、どうなるの?

誰かに恋するって、どうするの?

わたしって 本当はなに?

何をしに、生まれてきたの?

がんばって 生きなきゃいけないの?

わたしって ちっぽけな存在じゃないの?

命ってなんだろう

愛ってなんだろう

願いは叶(かな)えるもの?

わたしは、祈ることが好きだった

空を見上げて、お星さまに話しかける

お月さまに話しかける

小さな生き物や大きな動物とも

心を通わせることができる

植物の美しさや恩恵にあやかって

命の循環を感じてみる

太陽の光り、風の音や匂い、大地の感触、

水の冷たさ、炎の揺らぎ、

見て触れて、一体感を感じることができる

カラダの神秘に、完璧さに驚く

これが、キセキ

目の前の現実が、あたたかい

これも、キセキ

いつか、どこかで

きっと また会える

全然知らない旅人どうしが、初めて出会うように

新しい旅が始まる

たったひとつの

命の光に還(かえ)るまで

旅はつづく