第一部 チャレンジド人生
第一章 新居・マスターズマンションに移って
講演に至った経緯と私自身のこと
私のような新参者を仲間として受け入れ、このような機会を設けてくださるとは、誠に光栄でありがたいことでございます。
私は、昭和九年九月生まれで、数えで今年88歳、米寿の年、に当たります。私は年齢はあまり意識しないたち・性分で、今年いただいた年賀状の中で、二人の友人から“米寿おめでとう”と言われ、“ええ? まだ先のことでは?”と思っていました。追っかけ、古巣の社友会から、お祝い状と結構な贈物がとどき、改めて、米寿のことを認識したような次第です。
それくらいに、加齢のことはあまり気にせずに、77歳の時に起きた、重度頸髄損傷事故も普通なら、再起不能で寝たきりになってしまうとされているようでありますが、もともと「生涯現役」をモットーとしてきたこともあってか、再起を目指し(なにくそ精神で)リハビリに取り組んでまいりました。
長年にわたる私のリハビリ体験に関しましては、二○一九年六月に上梓しました『チャレンジド魂』をご参照いただければと存じますが、この場をお借りしまして、私が体験してきましたリハビリとその思い・願いなどをお話しさせていただき、ご参考になればと願っております。
会社生活時代・第一の人生、人材紹介会社起業、自営時代・第二の人生に続く事故発生~リハビリ生活・第三の人生へ
忘れもしない二○一二年二月、77歳の時、自宅での思わぬ転倒事故で重度頸髄損傷、即両手足まひし、車いす生活を余儀なくされまして、それまでの第一の人生(会社生活時代)・第二の人生(定年後62歳で人材紹介会社起業)から一転、第三の人生・車いす頼みのリハビリ生活に突入することになりました。
人生の試練に直面しながらも、私は、“リハビリは根気”“リハビリが仕事”、と割り切り、自分を鼓舞。私がかつて38歳から健康づくりのため、毎朝のジョギングを始めその積み重ねでフルマラソンも走れるようになった体験からも、再起・社会復帰を目指し、毎日継続してリハビリに取り組んでまいりました。