この二人の挨拶を聞いた上で挨拶に立った武藤は、敢然と二人に喧嘩を吹っかける事にした。

「本日は、ご多用の中をかくも盛大に我が新党『日本民主保守党』の結党大会にご参集頂きました事を、党首として心から感謝申し上げます。

その上で、先程来頂戴致しましたご祝辞を受けて私なりに考えを述べさせて頂きますと、与党党首の御挨拶の中で国会での論戦がスキャンダルの追及の場となっているというご発言がありましたが、わが国の主権者である国民や有権者から言わせて貰えば、国民に外出自粛を政府与党として強いておきながら、自分達はお構いなしに銀座のクラブを呑み歩いたという不埒で破廉恥なスキャンダルを起こした事が原因なのではないですか?

スキャンダルのネタを自分自身が提供しておいてその言い草はないだろうと思います。 

そして、一方の野党党首の枝村さんは世界の潮流、世の中の流れが少数派と言われるLGBTの権利拡張やダイバーシティだと仰いますが護憲政党を標榜されるのであれば、それを決めるのは政治家ではなく『主権在民』の国民でしょう? 憲法ではそう言っています。

これまで私はシンクタンクを通じて数多くの政策提言を行ってきましたが、殆ど聞き入れて貰えませんでした。

そこで一度選挙という一番国民の声がはっきり聴ける選挙を通じて、私達の主張する政策の是非について問うてみたいという衝動に突き動かされました。その為に我が『日本民主保守党』は小選挙区と比例ブロックに候補者を擁立して、来る衆議院議員選挙に臨む事にしたのです。

そして、ここから先は此処にお集まりのマスコミの方々にお願いしたいのですが、可能な限り大々的に国民有権者に伝えて頂けたなら幸いなのですが、我が党の小選挙区の候補者は、無所属で立候補する候補者と同様、比例区への重複立候補という卑怯な真似は致しません! 小選挙区で堂々と自分の名前を書いて貰って当選を果たします。

重複立候補という保険を掛けておきながら命懸けで戦って居りますなどという限りなく有権者を惑わす、姑息な真似は致しません。

【前回の記事を読む】新党を立ち上げるが党首にはならない!?『日本民主保守党』の理念とは。