お遍路は杖(弘法大師)と一緒に歩き、今までの自分の人生を振り返り、即身成仏を願う旅。すなわち、仏も許すであろう心と行動を実行できるようになる歩き旅です。

実際は毎日30キロも山道を歩いていると、はじめのうちは、次の民宿にたどり着くのが精一杯になることがほとんどでした。

しかし、歩いているとたまには同じお遍路をやっている人との出会いもあります。

その一人にフランス人の男性がいました。たまたま、同じ民宿に泊まり、同じお風呂に入りながらお互いのことを英語で話しました。その人の娘はレズビアンで、親である彼が悩んでおり、はるばるフランスから四国まで歩きに来ているということでした。世の中にはいろいろな悩みがあるんだな~と思いました。

最も素晴らしいと思ったのは、ある民宿で出会ったお遍路中の80代のおばあちゃんが、土砂降りのなか出かける時に残した言葉でした。

 

「なんて素敵な雨でしょう!」の一言に感動させられました。

雨が大嫌いな私は、人の心は考え方一つなのだと思い知らされました。

人生、皆さん大変なことがあるはずです。しかし、最後は考え方でどうにでもなる気がします。いつもすべてを前向きにとらえ幸福感を感じながら生きる人が結局長生きする気がしました。

そんな私ですが、奥さんに、「もう一度お遍路行ってきなさい!」と言われてしまう始末です……。

人生はそう上手くはいきません(笑)。