嫌いになったもの ――不倫から離婚まで――
お買い物
以前、七輪と練炭をネットで買った。
車へ運ぼうとしたらあまりの重たさに驚いた。
同級生は車に目張りをし排気ガスで自殺をした。
死に顔は穏やかだったらしい。
幼なじみは電気関係の仕事で、時間がくると電流が流れるよう仕掛け自殺した。
私は紙おむつを用意した。死んだあと少しでも綺麗に、汚さないように。
この歳になると、死別が多くなる。そして色々な死に方を知る。
追伸
七輪と練炭はお守りのように持っていた。
家を建て替えると決まった時、幸せになれると思ったので破棄した。
こんなことになるんだったら、さんまでも焼いてから捨てればよかったと悔やんでいる。
弁護士先生
写真とDVDを抱え、不倫の証拠になるかと相談に行った。
充分、証拠になると言われたが、まだ他人事のように思え、出直すことにした。
再度、相談に行った。弁護士先生は話を聞いてくれた。元夫の女性関係を全て話した。
先生は「だいぶ我慢してきましたね、今まで受けてきた相談で最悪の方です」と言われた。
不謹慎にも「上位何位くらいですか」と聞きたい気持ちを必死に抑えた。
この歳での離婚は今では珍しくないが、「遺産分与と年金で暮らしていく覚悟はありますか」と聞かれた。
「このまま、結婚生活を続けていく方が経済的には心配ありませんよ」と諭してくれた。
また、心が揺らいだ。
追伸
帰りがけ弁護士先生が「不倫の証拠、旦那さんに見つからないように」。
証拠を旦那さんに取り上げられ、泣き寝入りする人が多いと教えてくれました。
私は考えた。どこに隠すか。へそくりと不倫証拠は難しい。
元夫が絶対入れない場所、それはジムの女性貸ロッカーしかないと思った。