第一章 留学の夢

初めての短期留学

初めての短期留学は、アメリカのカリフォルニア州の南、ロサンゼルスカウンティ(ロサンゼルス郡)に位置するトーランスという町でした。

当時私は趣味のスキューバダイビングで、ハワイやグアム、サイパンには幾度となく訪れていました。アメリカ本土にも、仕事の関係で、ニューヨーク、シカゴ、オーランド、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ラスベガスなどには、短期で訪れてはいたものの、たとえ三週間の滞在(短期留学は二週間)とはいえ、アメリカに住むとなると全く事情が違います。そこで、まず最初に確認したのが安全のことでした。

以前アメリカで日本人留学生が、ハロウィンで知人の家を訪ねるはずが、間違って近隣の家に入り、FREEZEとPLEASEとを聞き間違えて射殺されるという痛ましい事件が起きました。

この事件以来アメリカへの留学を控える親御さんが多くなったと聞いていますが、アメリカを避けてニュージーランドに留学した結果地震にあって、お亡くなりになった留学生の方の話は記憶に新しい出来事です。

何かを成し遂げるには常に何かしらのリスクがつきものです。

天変地異は避けられないものですし、海外留学にチャレンジしたという意志は尊いことだと思います。

旅行会社の担当者が言うには「ロサンゼルス周辺は南へ行くほど安全になる」とのことで、トーランスにはいくつかの日系の企業が進出していて、日本人も多く生活しており、比較的安全な町であるとのことでした。

一般的にアメリカは銃社会だし、特にロサンゼルスは、世界で最も犯罪が多い都市の一つというイメージがありますが、最近は様子も随分変わってきていて、犯罪率も下がってきているようです。よくいわれることですが、安全な時間帯に安全なところで生活している分には、そんなには犯罪に巻き込まれることはないようです。

ロサンゼルスの街中も、通りを一つ隔てると危険地域になってしまうところなどがありますが、そんな地域は、人の雰囲気も違うし、壁に落書きが多かったり、ごみが雑然と散らかっていたりと、清潔な環境で生活している我々日本人には案外分かりやすいものです。

いよいよ初めての短期留学の日がやってきました。