カラスのクロ

(居候(いそうろう)のカラス

和夫さんが飼育かごを抱えて帰ってきたときは暗くなっていました。その間、カラスはずっと部屋の中で遊んでいました。

「もう暗くなってきたし、どうしようか?」

と純二が言うと、

「かごの中にエサを置いたらどうだい」

と父の和夫さんが提案しました。一郎がお皿にご飯を載せて、かごの中に置くと、カラスはピョンピョンと跳ねながらかごに入っていきました。一郎は、

「もう寝たら?」

と言ってかごの入口を閉しめてあげました。母の春子さんが押し入れから、唐草模様の入った使い古した風呂敷を出してきて、

「これをかけてあげたら暗くなって寝やすいかもね」

と言いました。一郎が風呂敷をかけてあげると、言っていることが分かったのか静かになったのです。

「人を全然怖がらないね。こんなカラスがいるなんて不思議だね」

と一郎が言うと、

「やっぱり、どこかの家で飼われていたカラスに違いない。次の日曜日に、どこかこの近くの家で、カラスを飼っていて、逃げられたところはないか。聞いて回ろう」

と父の和夫さんが言うと、

「それがいいわ」

と母の春子さんも賛成しました。