この日の上空にはかわいい三日月が見えていました。天空のスペクタクルを見ている気持ちになりました。だんだん空が暗くなると、星が輝き出します。先日の新月の夜には天の川が見えたとか。こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブの夏の大三角の一等星が夏の夜空には見えますよ。
ちなみに、ベガは二十五年前、アルタイルは十七年前、そしてデネブは千四百年前にそれぞれの星を出た光を私たちは見ていることになります。ベガやアルタイルやデネブはいつでもそこにあります。それを見るか見ないかは私たち次第なのですね。今夜は美しい天空のスペクタクルを意識してご覧になってみてはいかがでしょうか。色どり豊かな記憶がまた一つ増えるかもしれませんよ。
ろうそくの火
ろうそくの火は、液体になったロウを吸い上げた芯の中心が燃え続けています。この火はいのちに例えられることがあり、いのちを燃やすという表現が使われることもたびたびです。ろうそくは芯の中心が燃えているように、みなさんの中心にはいのちが宿っているのかもしれません。
ちなみに私の中心はみぞおちあたりにあると感じています。過去や未来を憂えているときは、私の意識は私の中心から離れてしまっています。あっちやこっちに心がさまよっているのです。そんな時は、自分の中心に意識を戻して、そこで呼吸を感じます。今この瞬間の自分自身を、呼吸を通して取り戻すのです。
何かに悩んでいるときは、ろうそくの火を見つめるのもいいでしょう。ろうそくの真似をして自分の中心を燃やしてみましょう。ロウが燃え尽きて水蒸気と気体になっていくように、私の呼吸も水蒸気と気体になっていくのです。目には見えないけれどそんな現象が起こっているのですよ。