第四条 「家事分担をさせる」

「ずぅーっと、赤ちゃん言葉で話しかけたり、赤ちゃんみたいに抱っこしたりしていたのが良くなかったんでしょうか?」

アスペルガーと言われました

小一のI子ちゃんは、極端に遅れていると、担任教師に言われたということである。教師の勧めで、心理分析のような知能検査のようなものをやって来て、その結果を持って、お母さんは私のところを訪ねて来た。体験学習をやると、I子ちゃんは学習障害ではないことが判ったし、論理的思考も、やや弱めではあったが全くできないということはなかった。

I子ちゃんは自由に遊んだり身の周りを片付けたりするべき幼児期を、お母さんに「猫っかわいがり」されてすごしてきてしまったために、自我の形成が遅れてしまっているだけなのである。一見、知能が低いようにも見えるが、そういうわけではないのだ。たとえ小一でも、人間には「論理的思考能力」というものがあり、それがある子は知能がボーダー以下ということはありえないのである。

I子ちゃんは自我脆弱によって、低学力の状態になっているのだ。Iさんは子供が可愛くて仕方なくて、赤ちゃん扱いをしていただけである。だから“それが、子供のためにならない”と分かった時点で自分を変える努力ができたのだ。

とりあえず、赤ちゃん言葉……「~でちゅ」のような言い方はやめるように進言した。なぜなら、赤ちゃん言葉を聞き使っていた子供が、小学校で「標準語」を習うなら、その子は、“バイリンガル”になる必要があるのだ。

日本語、英語のバイリンガルなら、大人になって役に立つこともあるが、「赤ちゃん言葉」「標準語」の“バイリンガル”は不便だし、周りの子にバカにされるようになるのは必至だからだ。だから、なるべく早く標準語に“統一”した方がいいのである。

それから、どんな小さな事でも良いから「お手伝い」をさせるように勧めた。今まで、みんな周囲でやってあげていたために受身で、おっとり、のんびりしていた。そのため勉強の時も「おっとり、のんびり」してしまい、当然、学習上の習得能力が弱くなっていたのである。