エッセイ 小説 詩 2023.07.12 詩集「まかろんのおもちゃ箱」より三編 まかろんのおもちゃ箱 【第12回】 まかろん キラキラとかがやく言葉の世界にようこそ! この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 季節の移り変わりや自然の美しさ、命のきらめき、日常で起こる不思議な出会い......。前向きに生きていくために、そっと背中をおしてくれる言葉たちがここにある! 心がおどる幻想的な世界がつめこまれた、全38編からなる詩集。※本記事は、まかろん氏の書籍『まかろんのおもちゃ箱』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。 【雪と氷の魔法の季節】に送る詩 「夜」 夜に向かって 窓を開ける 軽やかになった 夜風が揺れる もうじき 桜が咲くだろう まだひいやりする風に 春を想う 家々包む宵闇の 灯りの向こう 遠くの桜 ひらり 心に花びら吹きこむ 夜風が届ける 春の約束
小説 『約束のアンブレラ』 【第8回】 由野 寿和 3ヶ月前に失踪した女性は死後数日経っていた――いつ殺害され、いつこの場所に遺棄されたのか? 激しい雨が次第に弱まり、木々の葉には美しい雫が溜まり始めている。時刻は午前十時半。応援に駆けつけた静岡県警の捜査員は現場周辺を封鎖し、地形の安全確認を行っていた。大通りは通行止めが実施され、周辺は土砂や流木が散乱し危険な状態だ。鑑識課の捜査員数名が周囲を取り囲み、ブルーシートの包囲線が敷かれていた。静寂の広がる藤山の山中では、静岡県警の現場検証が始まっている。鳥谷は息を大きく吸うと、周囲の匂いを…
小説 『訳アリな私でも、愛してくれますか』 【第18回】 十束 千鶴 『SNSの利用者も馬鹿ではないので、自分の有意義な情報を出してくれるアカウントでないとフォローしてくれません』 【前回の記事を読む】「中の人はどうせミソジニー中年男」…『女性の皆さん!』と呼びかけた投稿が大炎上。中の人から滲み出てしまった、女性軽視感とは?「どこが悪かったか、きちんとリプとか見ながらもう一度確認して。もしかしたら、コンプラ部にも一緒に入ってもらったほうがいいかもね」「わかりました。すぐコンプラ部に行ってきます」「はい。よろしくね」岩下はそのままオフィスを出ていった。コンプラ部は違う階にある…