エッセイ 小説 詩 2023.07.12 詩集「まかろんのおもちゃ箱」より三編 まかろんのおもちゃ箱 【第12回】 まかろん キラキラとかがやく言葉の世界にようこそ! この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 季節の移り変わりや自然の美しさ、命のきらめき、日常で起こる不思議な出会い......。前向きに生きていくために、そっと背中をおしてくれる言葉たちがここにある! 心がおどる幻想的な世界がつめこまれた、全38編からなる詩集。※本記事は、まかろん氏の書籍『まかろんのおもちゃ箱』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。 【雪と氷の魔法の季節】に送る詩 「夜」 夜に向かって 窓を開ける 軽やかになった 夜風が揺れる もうじき 桜が咲くだろう まだひいやりする風に 春を想う 家々包む宵闇の 灯りの向こう 遠くの桜 ひらり 心に花びら吹きこむ 夜風が届ける 春の約束
小説 『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[「バツ恋」人気御礼!武きき作品ピックアップ]』 【第5回】 武 さき,武 きき 「こんなおばさんにナンパ?」不倫夫と別れてから8ヵ月。カフェでこちらを見てきた男性が急に声をかけてきて... 【前回記事を読む】不倫した元夫との久しぶりの食事。「今、どうしているの」と聞こうと思ったが止めた。もう関係ないから。引っ越しから六か月、明日から、絵画教室が始まる。楽しみ。教室に通う前に二度下見に行き、素敵なカフェもあるから教室に行く前にお昼を済ませて、ゆっくり本を読んで教室に行こうと決めている。爽やかな天気だ。まるで応援されているよう。十二時前について、ランチをして、コーヒーを飲みながら小説を…
小説 『ライオンと鐘鳴らす魔道師[注目連載ピックアップ]』 【新連載】 NuMYasu アラフォー独身の俺に届いた「同窓会のお知らせ」。結婚についてばかり聞かれてうんざりしていたが… 考えたくない。語りたくもない。今は喧騒な大都会に佇むのではなく、大きくつぼみが開いた桜の木の下でひっそりと過ごしていた。その桜が見える場所から五分ほど歩いたところに平屋建ての古民家があり、そこに三十代後半になる、やや上背のある男が一人で住んでいた。発端は三年前。俺は小さな自動車整備工場で整備員兼事務員として三百五十万の年収で、上司と部下に挟まれながら主任として働いていた。しかし、会社の経営が危う…