≪診断書をもらったら、受診しなくなったHさん≫
中途採用で小さな事業所の営業兼事務に勤めた。業務は多岐に渡り忙しかった。
朝パートさんの仕事の割り振りの確認をしたら、昨日の売り上げの集計、そのあと取引先に行き、戻ったら営業の電話。少しの余裕もないくらい仕事を入れられる。そして売り上げが悪かったり、営業の電話が少なかったりすると、社長から文句を言われた。それはいつものことで社長の癖なのかもしれないが、毎度だとイヤになる。
1年近くそれをかみ殺して仕事をしていたが、仕事は一向に減らず残業も多くなり、外勤から帰ったら勤務時間が過ぎていることも珍しくなくなった。帰っても自由な時間もなく、休みの日も何かする気力もない。不眠、食欲不振、胃痛。(もうイヤだな)と心底思った。
メンタルクリニックを受診し診断書をもらい、社長に提出し、その後どうも退職したらしいが、もうメンタルクリニックには来なかった。1、2、3と、おおまかに就職後の時間の短い順に描いてみました。この4は就職後の時間というよりは、メンタルクリニックの利用の仕方が少し違います。ちゃっかり現代的な感じもしますが、珍しくありません。
抑うつ感情と身体症状が出ていることには変わりはありません。
「つらい」→症状が出る→「休みたい」「辞めたい」→「でも休めない」「辞めたいと言えない」。
それなら症状も出ていることだし“免罪符”を出してもらおうと安直に考えているわけではないでしょうが、メンタルクリニックに救いを求めてやって来ます。