話はもとに戻り、変人ポーはAさんBさんの例え話を続けた。
「必然、この考え方がまったく異なる二人の人生も、そのあと大きく異なっていくこととなる。人間の1日というのは、我々には想像もできないほどの選択肢があるからね、決してこれは大げさに言っているわけではないよ。朝起きた瞬間から、夜ベッドに入り寝るタイミングまで。それが積もり積もったものが人生でもあるから、そりゃ、変わるのも当然だ」
Aさんの思考は「できない」と言葉にしたその瞬間から止まり、脳を退化させていく。Bさんの思考は「どうやったら〜?」と自分に問うた瞬間から働き、脳を活性化させていく。
Aさんは自分で自分の可能性を狭めていき、
Bさんは自分の可能性を無限に広げていく。
Aさんは失敗を失敗としか考えないで、
Bさんは失敗をチャンスに変えようと考える。
Aさんは失敗を恐れて失敗をしないようにし、
Bさんは失敗するスピードを上げようとする。
Aさんはものごとを他人のせいにし、
Bさんはものごとを自分のせいにする。
Aさんは人の失敗を喜び、
Bさんは人の成功を喜ぶ。
Aさんは常に傲慢で、
Bさんは常に謙虚である。
Aさんは絶望を語り、
Bさんは希望を語る。
Aさんは過去を語り、
Bさんは未来を語る。
Aさんは不満が尽きず、
Bさんは笑顔が絶えない。
Aさんの人生はどんどんつまらなくなっていき、
Bさんの人生はますます楽しくなっていく。
Aさんがこのような話を聞いても自分だと気づかないとき、
Bさんは自分に当てはまらないか、と自問している。
「考え方は、結果に出てくる。それも、顕著に、確実に」
変人ポーの追究はなお続く。正直、メモが追い付いていっていない。
「それは、自分が見ている風景というのは、自分の現実というフィルターを通して見えるものだからだ。我々は自分の考え方(現実)で、日々ある無数の選択肢から選び、決断している。意識する、しないは別としてね。だから、自分の周りに起きた出来事は全部自分の考えから出た結果なんだよ。だから、誰のせいでもない、自分のせいなんだよ。いま、たった“いま”の現実は過去の自分の考え方の結果でもあるんだよ。いまの考え方の結果は、遅かれ早かれ、これからの未来の現実に、結果として現れてくる。これは国単位、団体単位の話ではなく、あくまで自分の周りで起こった出来事の話だけどね」
そうか、たしかにあのときにボクが考えて、決心して変人ポーに弟子入りのお願いを実行したからこそいまの会話があるんだ。そんなに大事な自分の考え方=思考の力なのであるとしたら、ここは何としてもブレないようにしていきたいものではある。