子宮全摘 1

40代寸前、体調の異変、更年期の始まりか位しか思っていなかった。

とりあえずがんセンターへ、その時の説明では、卵巣が腫れていると診断され、

後日紹介された病院で再度検査。

三日後、病院より早めにもう一度詳しい検査を勧められた。

結果は、このまま放置しておくと「体癌」になる可能性があるので子宮全摘を勧められた。

卵巣は元の大きさに戻っていた。

追伸

検査がなんとも恐ろしい。

麻酔をしなくても子宮口が開いたら、体に負担がかからないからと検査が始まった。

激痛で思わず「いてぇな、この野郎」と心で悶絶し、上品に「いてぇ」と大声をあげた。

先生はやっと諦め、麻酔をかけて検査を再開。

麻酔から覚めた私の頭には、「麻酔も打たずに歩いた」という、どこかで聞いたことのあるワンフレーズがグルグルと繰り返していた。

子宮全摘 2

子宮全摘を勧める男性医師は「もう、子供は産まないのだから」と言う。

「だからなんだ」と思いながら、男性医師と女性医師では助言が違うのか、気になる。

よくよく考えると、年配の女性医師は「子宮全摘したら、毎月の煩わしさがなくなって楽よ」と希望的観測も期待できる。

若い女性には私の想像を絶する苦悩があるだろう。

若い女性と比べればオバサンの子宮などどうでもいい。

なんであんなにこだわったのか、女を捨てきれなかったのか。

追伸

あまりに落ち込んでいる私を心配して婦人科の先生が精神科を紹介してくれた。

その当時は精神科だった。今のように心療内科、メンタルクリニックなど洒落た名前ではなかった。

総合病院なので婦人科の診察室の前が精神科だった。

妊婦さんは困惑気味に遠く離れ座っていた。

名前を呼ばれ中に入ると、イケメンで笑顔が素敵な先生がいた。

急に元気が出てきて何を聞かれても、「大丈夫です」しか言えなかった。

「少し様子を見ましょう」と言われ「いや、私本当に大丈夫です」

こんなイケメン先生に会えたので心残りではあるが。頭を下げ診察室を出た。

しかし、後にこんなに長くお世話になるとは思っていませんでした。