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アメリカに考古学の大学はない。研究する団体はあるが……。とにかく、世界の考古学の話題を集めた。

クステリアは部屋の場所が洞窟の難所をいくつも通るからと不参加だった。同じようにご年配の教授たちも探索に不参加だった。ワルテルは世界の探検家と自負する4人のダイバーたちと太陽のピラミッドの隠し部屋探しに急いだ。

通常は自然洞窟から人工的に作り上げたトンネルで皇帝の墓に繋がっていたのだろうがここは最初から最後まで天然洞窟である。10分間息を止めていなければたどり着かない仕組みになっていた。なかなか見つからないわけだ。

「着いたぜ。先生よ」

ダイバーの一人のゼイルは軽い調子で言うがワルテルは必死だ。

カメラの調子を確かめると穴から長方形に加工された部屋に入る。

……何も無いかのようだ。

台座が一つあった。金でできた装飾された鶏の卵のような球体が1つ飾ってある。

ワルテル「皆さん。世界各国の皆さん。遺物がありました。大発見です」

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金の卵と名付けられたその遺物は放射性測定器の年代調査のためクステリアに預けてある。ワルテルは金の卵に描かれた模様を分析するのに3D画像を眺めている。文字を持たない文明といわれたインカだが文字のような模様は多く残している。

金の卵の端から渦を巻くように描かれた模様が反対の端に渦を巻いて配置されている。

解読するとこうなる。

『ムナワンキマンチュ プサイタ 私を連れていって案内してくれますか?』

これはなんだろう? もう少しあの部屋を調査した方が良さそうだ。

調査の為に撮った写真は年月でわからなくなっていたが元はカラフルに描かれた模様でいっぱいの部屋だったようだ。金の元素を貼り付けられていたらしいがまだよくわからない。修復作業は専門技術を要する。

そんなとき、クステリアは怒ったようにワルテルを呼び出す。

クステリア「これ、何よ!!」

ワルテル「金の卵のことか? どうしたんだ?」

クステリア「放射性測定器の結果が165億年!! この宇宙が生まれた年代ですら138億年前よ。いくら何でもおかしいでしょ!?」

ワルテル「しかし、確かに発見した遺物なんだ。だいたいあの部屋を発見したのは君だぞ」

クステリア「あり得ないのよ。可能性としてワルテルがねつ造したと考えるのが妥当」

ワルテル「そんな馬鹿な!! 本物の遺跡だぞ」

クステリアは聞く耳を持たない。