第2章 対策1 学校教育に対する処方箋
02 高等学校以上、特に大学での国公立学校の増加
出身地による授業料の差別化
因みに昔のアメリカの大学では、州によってはその州の出身者と州外のアメリカ人、そして外国人とで3段階の授業料を設定していた時期があった。今は凡そアメリカ人と外国人とでの違う授業料の設定が殆どの様であるが、この考え方は理屈が通っている。
税金によって運営されている大学は、税金の納税者である地域住民の子供には安くすると云う考えで、地方自治体によって設置された公立大学では、自治体の出身者と以外の学生とで多少の差別があっても良いのではないだろうか。
少なくとも、日本人と外国人とで授業料の差別化は行っても問題ないであろう。
03 受験制度の改革
次の処方箋として、現在の受験制度について考えていきたい。公立の中学校を卒業した後、一般的に高校と大学を受験する事になる。私立大学の付属校に入学した場合は大学受験が必要無い場合もあるが、殆どの人は人生の中で少なくとも1~2回は受験を経験している。
この受験に掛けるエネルギーは大変もったいなく、全くもってムダな作業と云いたい。社会人になって、この受験勉強に使っていた時間が役に立っていたとは到底思えないし、他にもっと有意義な時間の使い方があったと信じている。それで先ずは、受験勉強よりも本来すべき事を考えてみたい。
小学生は遊ぶ事が一番大事
中学受験をする児童は小学校4年生頃から塾通いをするのが一般的で、早い子供は小1、2年生頃から始めているという。これが子供にとって良いハズがない。小学生は本来は遊ぶ事が一番大事で、放課後は遊びの時間だ。沢山遊ぶ事で学べる事が沢山ある。そして本気で遊ぶ事が大変大事である。
自然を相手に遊び、自分達で新たな遊びを作り、そのためのルールも作る。大人が作ったゲームで遊ぶにしても、提示されたルールに沿った遊び方だけをするのではなく、自分達の独自ルールを設定して遊ぶのも良い事だ。スポーツを楽しみ、冒険や探検する事も大変良いだろう。秘密基地を作ってそこで遊ぶのも大変良い。
そういった子供ならではの発想で沢山遊んだ経験が、大人になって大変役に立つ。その自由な発想と、真剣に取り組む姿勢が、社会人になってからの活動に大変役に立っていると信じている。仕事にも遊び心が必要だし、真剣に取り組む事も必要だ。そして苦しい仕事でも楽しむ事ができると思う。
しかし中学受験を目指してしまうと、本来は遊びに使うための貴重な時間を奪ってしまう事になる。子を持つ親として、これは絶対に回避したい。