⑩人手不足・人材難・後継者問題

*欠員が出て募集しても応募がない。

*若い手話通訳者がいないので、なかなかバトンタッチできない。

*業務内容に対して採用条件が悪く、応募者がいない。

*現在のような非正規雇用では、若い人材や男性の雇用が難しい。

*手話通訳業務で生活できる仕組みを作ることが大切。若い世代が育たない職種には将来の展望はない。

*人材不足のため一人配置が10年続いている。後継者がいない。

*登録手話通訳者から採用されることが多く、肝心の手話通訳派遣ができなくなっている。

*人材難により試験合格後すぐに設置に入ることも多く、運動的立場と行政的立場の調整ができず悩む人も多い。

*手話通訳を職業とすることができないので、手話を学びに来る人は高齢の人ばかり。地域によっては何年か後には通訳できる人の数がゼロになるのでは。

*正規職員としての身分保障をし、若者が選択する職業になってほしい。

*設置通訳者の身分保障。若い人が安心して職につけ、自活できることが必要。通訳のできる若い世代はすでに仕事をもっていて、設置として入れる人材不足。

*大学や専門学校などで手話通訳士として養成され、保健師のような待遇で採用されるようになれば、子どもが将来目指す職業になり得ると思う。

⑪その他

*そこに住むろう者が積極的に制度を活用して、より良い制度となるよう改善要求をしてもらいたい。

*今は働いている通訳者が多く、数年後には、登録通訳者派遣制度は崩壊すると思う。早いうちに設置通訳者を増やし、専門的に通訳制度を担えるようにしたほうがよいと思う。

*遠隔通訳契約をする自治体が増えている。設置通訳者が対応不可な場合のみ遠隔で対応するべきと考えるが、遠隔通訳のみで十分であると考える自治体が出ないよう注視していきたい。

*例えば大きな病院など、聴覚障害者が多く訪れる所には手話通訳もできる職員がいると良い。

*手話通訳者設置に特化せず、もっといろいろな場面に手話通訳のできる職員を増やしてほしい。専門的知識が必要な場所は特に。

*設置事業で働く人には、研修の機会や専用の養成の場などが必要。JIAM(全国市町村国際文化研修所などのような市町村職員を対象とした研修機関に、手話通訳職員を対象にした研修を位置付けさせることも必要だと思う。

*派遣事業と同様に設置事業にも国のモデル要綱を作成し、業務や定義を共通認識としてもちたい。

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