「孤独な蝶」

やあと 微笑む声

元気?と 合わせる目

ただの普通のあいさつ 

そうなんでしょ 貴方にとって

ええと 微笑んで

元気?と 目を合わせる

ただの普通のあいさつ

私の胸の内 蝶が羽ばたく

この気持ちは 知られちゃいけない

薄氷の平穏 守り抜くために

胸の内 飛び回る蝶

私は 鉄の鳥籠に閉じ込める

錠を鎖された 黒光りする籠

蝶の羽ばたき 耳にうるさい

この気持ちは 知られたらお終い

私は 囚われた籠の蝶

ねぇ 解き放ってよ

捕える気が ないのなら

私の胸の蝶 空に遠く遠く

ホントは知ってるんでしょ ねぇ?

やあと 微笑む声

元気?と 目を合わせる

ただの普通のあいさつ

貴方は 私を捕えてるつもり

知ってるのよ 貴方が

知られたくないってこと

その胸の裡の 暗い籠

そこに何が 羽ばたいてるのか 

錠を鎖された 黒光りする籠

重なり合って でも一つにはならない

出口のない檻に ただ飛び回る

二つの籠の中 孤独な蝶々たち