野良猫達との出会から、私に生きる意味、そしてどこまでも自分の子供達を守ろうとする母性愛を、学ばせてもらいました。又慣れやすく、甘えられる猫を見ていて、人間も甘え上手な人は、楽に生きられるかもしれないと感じました。

彼が亡くなってからは、いつもそばにいてくれた〈さとさん〉の気配を、感じる事がなくなったのです。

「さとさん何処に行ってしまったの?」

と、問いかけても何も答えてくれません。

「これからは彼に見守ってもらいなさい」

という事なのでしょうか。今でも不思議に思うのです。我が家は又、祖母はじめ家族そろって霊感みたいなものをもっていて、自分の周りの人に何かあると、その予感を抱いたりするのです。とは言ってもそんなに強いものではないのです。

父が先に亡くなり、その半年後に母が亡くなり、母の通夜の日、葬儀会場に姉夫婦と泊まった日、姉が

「夜中に誰かが入って来て、よく眠れなかった」

と言うのです。

「そんな夜中に入ってくる人など、いないでしょう」

と言う会話で終わっていたのですが、よく考えると、

「父が母を迎えに来たのだろうか」

と、思いました。生前二人で

「どちらが先に亡くなっても、迎えに来る事」

とかよく話をしていたのを思い出しました。その歩き方は、軽快な歩き方だったとか。若かりし頃の父だったのだろうかと思いました。姉が誰かが入って来たと言う所には、扉も入口も無かったのです。

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