指を震わせながら番号を押す。
プルルルルルル、プルルルルルル……。
「はい、タカハシです」
「コモリです」
色々なお話をして、もっと彼のことを知りたいと思った。そして、明日もお昼休みに食堂で会う約束をして電話を切った。明日が待ち遠しい。ドキドキしながら眠りについた。
ピピピピ、ピピピピ……アラームの音で目が覚める。
カーテンを開けて光を感じる。コンタクトをすると青い空が見える。今日は、とってもいいお天気。淡い色のワンピースで出社した。
「おはようございます」会社のみんなが、私をジーッと見つめている。
「お……お……おはようございます」なんか変な感じがした。気になりながらトイレに行くと、私に気づいた横山さんが「今日はおしゃれだね」と声をかけてきた。
「初めてワンピースを買ったの。似合うかな? 高橋さんはどう思うかな?」
「そういうことかー、高橋に会うためだったんだね」とニタニタしながら、横山さんは仕事場に戻った。
お昼休みに横山さんを誘おうとしたらいなかったので、仕方なく1人で食堂に行く。食堂で高橋さんが待っていた。2人でおしゃべりをしながら楽しく昼食を終えて、仕事場に戻る時にまたメモを渡された。
自分の机の下でメモを開くと、『小森さん、ワンピース姿とっても可愛いよ。とっても似合うね。明日は休みだし、映画に行きませんか? 夜お返事待ってます』
キャー、どうしよう……。人生初めてのデートのお誘い。ワンピースもほめてもらえてよかった。でもいつこのメモを書いていたんだろう。会ってから書いていたところは見ていないのに。
緊張しながら高橋さんに電話をかける。明日の午後1時に会うことになった。ドキドキして、遠足の時みたい。知らないうちに眠りについた。