【前回の記事を読む】落ちた椿、雪を割る座禅草、舞う桜…津々浦々の春の花を詠む

日本編 春

西行と徒々行く道花吹雪

吉野山は(下千本、中千本、上千本、奥千本)、全山桜の花の満開を見るのは無理なので、二回訪れました。

一回目の時は、上千本あたりの西行歌碑に花吹雪が舞っていました。

二回目は中千本、下千本あたりが満開でこれで全山満開の桜を見るという夢が叶い、満足の極みでした。

我家の近くの公園の桜の木の下にベンチを寄付しました。背もたれに書いた文句はもちろん“願はくは桜の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ”

奈良県吉野山 1990.4.14 2007.4.6

見渡せばミツバツツジの海を行く

岩根山登山口から上っていくと、山桜やコブシの花に交じってヤシオツツジの紫の花まで加わってきます。

歩きはじめて四十分位で紫がかったピンクの花に囲まれます。ミツバツツジの群落です。

“岩根神社”は古くは山岳信仰(修験)のお山でミツバツツジはこの神社の境内周辺に群生していました。それを宮司さんが丹精こめて育ててくださったおかげで、こんなに素晴らしいミツバツツジを見ることができたのでした。

埼玉県長瀞町岩根山 1998.4.15

牡丹咲き源氏の世界かいま見る

長年勉強してきた『源氏物語』が一区切りつき、修学旅行と称して“長谷寺”を訪れました。

息を切らせて五重塔までの階段を登りました。回廊の次に向かった境内では色とりどりの牡丹の花が七千株も咲き、歩き疲れが一度に吹き飛びました。

満願成就した明石入道の喜びを表したかのように、これからもう一花咲かせたいという私の願いのように咲いていました。

奈良県桜井市 “長谷寺” 2012.4.26