核心1
3 物件購入のヒント
「光」と「風」、「自然」のプランをつく
「住まう」というのは、「光」と「風」、「自然」のプランをつくること。光と風をどのように入れるかは、注文住宅やマンションであっても考えは同じだ。
「住まう」ことを考えると、河川や公園は採光窓が取れて風が通る。でも、川は臭いし、公園は子供がうるさいと、値下げを要求する人がいるのも事実だ。
ただ、私たち供給側の立場からすると、河川や公園が近くにある土地は投資マンションが建てやすく、採光窓が取れる最高の土地といえる。公園には虫がいるし、川は臭いなどデメリットもある。
なかなか買い手がつかない土地であることも確かだが、投資マンションであれば、風通しと採光、眺望も良い、そういう土地を狙うのもいい。常識を「逆手」に取ってみることだ。
角地は意外と
道路が南に面している土地は、建物の影が北側の住居に落ちる可能性があるので、建てても3階が限度。北向きの土地は影が道路に落ちるため、高さは確保できる、容積率を目いっぱい使えるということは説明した。読みようによっては、単に南向きを毛嫌いしているように映っているかもしれないが、南向きの土地にも十分利点はある。
ただ、南より北の方が投資マンションでは有利なことがある。住宅物件でも、北も南も間取りや採光窓は取れる。北向きはコストが安く済むので、私にはプランがつくりやすくて好きな土地ということだ。
また、ファミリー層は別の視点で考える必要があるが、部屋を借りる側の立場に立てば、学生や働いている人は1日中家にいることはないので、休日となる土日は暗いところで休みたいという人も多い。採光に関しては北向きだろうと南向きだろうとどちらも問題はなく、光はプラン次第で取ることができる。
物件として一見よさそうに思える角地は、両側から斜線制限が掛かるので、プランを立てる際に削らなければいけない部分が出てくるなど、意外と設計しにくい。付け加えると角地は高い。南東の角はさらに高い。「角地がいい」という概念は捨て冷静に分析しよう。
物件の価値は用途地域で違う
用途地域(図1)は大きく分けて、「住居系」、「商業系」、「工業系」の3種類に分かれる。
住居系は、戸建ても多く穏やかな環境で子育てしやすい環境地域。商業系は店舗や飲食店などが多く、マンションなどに活用されることが多い。
工業系は工場などが多く、働きやすい環境を目指している地域だ。都市の環境保全や利便性などのために都市計画法に則って定めたもので、建設できる建物の種類や用途に制限を設けたルールがあり建ぺい率や容積率が変わってくるほか、規制が緩くなるポイントもあるので、それぞれの狙い目をしっかりと把握することが必要だ。