二〇〇七年七月 初夏
愛知県瀬戸市 市民運動場
試合は午後からだったが、俺は早めに会場に向かった。午前中にラグビースクールをしていることを聞いていたのでその様子を見たかったためだ。
俺は目を疑った。
朝早くからグラウンドでラグビースクールが開かれていた。なんと、幼稚園入園前と思われるヨチヨチ歩きのグループから、小学生、中学生、高校生ぐらいまでグループに分かれて練習をしていた。
軽く総勢百名は超えているだろう。そして付き添いの家族たちが見守っている。
今、ラグビー熱は盛んなのか?
それとも瀬戸市が力を入れているだけなのか?
サッカーや野球の少年クラブはよく目にしていて、プロを目指して頑張っている。しかし、ラグビーをこんな幼少からやらせている。俺たちが知らなかっただけだ。
「教育のため、なんだろうな。あんなに小さいときからラグビーをさせているのは?」と俺が言った。
「結構、あちこちでスクールは行われているようですよ」とは若手三人組の貝沼だ。
今日の試合に参加するメンバーも徐々に集まって来ていた。若手の貝沼、若山、川浦の三名と太田先輩、高田先輩、柴田と俺の七名だ。