小説 『東京フェイクLove♡』 【第21回】 川田 レイ 「個人でお金を払うので、また会えませんか?」…返事を待つ。深夜になって、短く悲しいLINEが届いた。 【前回の記事を読む】まさか私がNG客にされるなんて…毎日何かしらLINEを送ってみるが、前みたいに返信は来なくなった。自宅マンションの仕事用の部屋で眼鏡をかけた流星が醒めた目でパソコンの画面を眺めている。その画面には、真由子が最近1ヶ月流星の個人掲示板に書き込みした通知がずらりと並んでいた。真由子が6月初めに掲示板書き込みを告白した後、真由子に不信感を抱いた流星は、知り合いの業者に頼んで、真由子…
小説 『差出人は知れず』 【第21回】 黒瀬 裕貴 ヘルメットに防塵マスク、保護メガネ、溶接面…。リュックサックを背負った男が、こちらに気づいた。「なんだ、あの恰好……」 【前回記事を読む】「今からお前に気合を注入する」満足に飛べない。故障が多いのはお前の責任だ、軟弱者め。小隊長は殴られる僕を見て…言い切る前に必死の思いで頭を下げると、その坊主頭に優しく拳が振り下ろされた。飛行手袋を脱いだ小隊長の手は温かく、郷里の母を想起させるものだった。「貴様には貴様のやるべきことがある。俺の言っていることが分かる日がいつか必ず来るさ」「自分のやるべきこと、でありますか」「あぁ…