ばちがあたる

先日、助手席に家内を乗せ、買い物にとランドクルーザーのハンドルを握りました。いつものように交差点を右に曲がると、すぐさま家内の声、「どこに行くつもりっ!?」

車に乗る前に家内と話していたスーパーとは逆方向に向かい始めていたのでした。

ここはどこ? わたしは誰? の状態!! 最近こんなことが増え、家内は気にしているようです。な~~に、大したことではない! ちょっと考えごとをしていただけ……と、心の中で言いながら、少し先の駐車場を利用してUターンし目的の店に向かったのでした。

スーパーでお買い物の最中、家内がポケットやバッグを探り、買い物メモを探しています。見つからないようです。横目で見ながら、「まっ、人生いろんなことがあるな……」と余裕の発言です。円熟? 老成? した夫婦の片鱗を覗かせつつ、二人の記憶力テストのつもりでメモの記憶をたどり買い物を続けました。

おつまみチーズに手を伸ばしたところで突然、「宮本先生! お久しぶりです。お元気でしたか!」

がっちりとした髭の男性から大きな声をかけられました。

???

「二十六年前に手術していただいたユウタです」