第1章 Listen to The Beatles!
一九六二年、リヴァプール出身のアイドルとしてデビューした四人は、ミュージシャンとなり、アーティストとなって、史上最高のロック・バンドへと変貌を遂げます。その活動期間は僅か八年。その八年間で、誰もが一度は耳にしたことがあるであろう、数えきれないほどの名曲、そして名作を生み出します。
そんな彼らの音楽は、街に出ればどこかで流行りのアニメ・キャラクターや、売れっ子アイドルの広告などを目にするように、また、「◯◯してくれるかな?」の問いかけに「いいとも!」と恥ずかしがりながら応える人と同じくらい、当たり前のように私達と生活を共にし続けているのです。
そんなビートルズの作品を、世界で最も影響力があると言われる音楽雑誌『ローリングストーン誌』では、次のように評価しています。
『オールタイム・ベストアルバム五〇〇(二〇一二年に発表された、歴代最高のアルバム五〇〇枚)』
一位『Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band』
三位『Revolver』
五位『Rubber Soul』
十位『The Beatles(White Album)』
十四位『Abbey Road』
三十九位『Please Please Me』
上位五十枚のうちビートルズが六枚。しかも上位十枚に四枚入っているんです。「さすがにこれはやりすぎ?」と、ローリングストーン誌もそう思ったのかもしれませんね。二〇二〇年の改訂版では、もう少しフラットです。けれど、それぐらいしたくなるほど、名作揃いなのは間違いありません。
そして一位となった『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』このアルバムは「ロックの進化の速度を十年早めた」と言われ“このアルバム以前以降でロック(ロックンロール)は変わった”と、専門家や音楽好きの中では言われています。