【前回の記事を読む】「ウエストのサイズより落差が重要」と述べる著者の「弁解」に衝撃

当事者の法則

成功した案件では次々に出てくるのに、
失敗した案件では一人も出てこない不思議な関係者。

当事者の法則 解説

稟議という制度がある。会社にとって重要な案件は、社長や役員による最終決定の前に関係部署の責任者に回り、賛否が求められる。

新入社員のとき、戻ってきた稟議を見たら、関係部署の責任者が賛成でも反対でもなく、「やむなし」と書かれているのを見つけた。「これはどういう意味ですか?」と上司に尋ねると、「うん、結果次第という意思表示だ」と苦笑いされている。要は、成功した案件では「反対はしていない」と言い、失敗した案件では「だから賛成はせず、やむなしと書いたんだ」と言うための「やむなし」らしい。

イソップ寓話で鳥と獣の間で寝返りを繰り返す「卑怯なコウモリ」を思い出した。

少数精鋭の法則

精鋭を集めるのではない。
少数にするから精鋭になるのだ。

少数精鋭の法則 解説

ラグビーにはシンビンというルールがあり、重い反則を犯すと10分間の退場処分となってプレーできなくなる。頭数の上では15対14になる訳だが、その差がすぐに出てトライに結びつくことは滅多にない。多分、ピンチだと認識した14人の運動量が増え、逆に、頭数で優位に立てたと思う15人の活動が鈍るのだ。同じことは勤務先でも見ることができる。頭数にくらべて仕事量が多いと、まず無駄な仕事を排除し、次に優先順位を付けて仕事に取り掛かる。少数にすれば精鋭にならざるを得ないのだ。