第3章 現代政治の実態
独裁者だけが生きている北朝鮮
金正恩労働委員長は、2017年2月に異母兄である金正男を暗殺したようでもある。
その他にも、北朝鮮では2013年2月金正男氏の叔父の張成沢国防副委員長を突然「国家転覆陰謀行為」があったと処刑。2015年に玄永哲国防相を「自分の権威を毀損」したとし、崔英健副首相をも「自分の政策に不満を示した」として処刑したが、2019年には「座る姿勢が悪い」などと金勇進副首相も処刑してしまった。
韓国政府の推計によれば、金正恩体制で処刑された幹部は12年に3人、13年には約30人、14年に約40人そして15年には60人とされており、恐怖政治の様相が強まってきて暗黒時代のソ連を連想させるものがあるという。
また、北朝鮮は多数の人民が飢えているにもかかわらず、巨額の資金をミサイル発射や水爆実験等に費やしていることは周知の事実である。
このような暴挙に対し、日・米・韓は合同軍事演習をしたり国連に制裁決議を提出したりしている。しかし、ロシア・中国などがそれに反対しているからであろう、2019年にもミサイル発射などを繰り返し、2020年3月には2日、9日、21日の3回にわたり飛翔体を発射している。
欧州連合を抜けるイギリス
欧州連合(EU)離脱を巡って混迷するイギリス政府は、2018年3月に、元ロシア情報機関員らの事件からロシア外交官23名を国外追放した。これに対抗してロシアは英外交官23名を国外追放処分にすると発表した。すると今度はさらに欧米の17カ国でも200名以上ものロシア外交官を追放するに至っており、ロシア外務省は「断固たる抗議」を表明している。
そして、2020年1月31日に欧州連合が発足してから初めてイギリスが離脱した。それはEUという後ろ盾を失うことで、イギリスの国際的な影響力の低下が懸念される反面、ドイツに次いで、EUにとっては2番目の経済規模があり軍事力も大きい国が抜けることは損失にもなりその波紋は大きなものがあろう。