では、こんなケースも考えてみましょう。
同じくAさんが、競合のB保険担当者に「お客様の事故の対応状況を調べてくれ、来週の事務所訪問時までに」と依頼しました。
この時、B保険担当者はメモを取らずにその依頼を受けてしまったので、事務所を出たあと、その依頼をすっかり忘れてしまいました。
翌週、B保険担当者が事務所を訪問すると、Aさんが事務所におられました。
Aさん「先週お聞きしたお客様の事故の件、どうでしたか?」
B保険担当者はAさんから依頼され、自分が調べると約束したことを思い出しました。B保険の担当者はその時、Aさんに何と言いますか?
「申し訳ございません……」
そうです。相手から「ありがとう」を言わせることができれば「絆ポイント」は貯まります。逆に、相手に対して「申し訳ございません」とお詫びすることになれば「絆ポイント」は減っていきます。
この例は、小さな日常の一コマに過ぎません。が、これを繰り返し、積み重ねた場合……。それぞれのケースで、私やB保険担当者は、Aさんやお店の皆様からどんな評価を受け、この事務所で営業上のどんな成果を出せるでしょうか?
その後、程なくして、Aさんが、あるお客様からご新規の保険契約を頂けることになりました。お客様は「Aさんお勧めの保険会社なら、どこでも良いよ」と仰っておられます。Aさんは、私の会社とB保険、どちらの会社をお勧めされるでしょうか? もちろん、私の会社を選んでくださりますよね?
成果や結果はこうやって生まれるもの。日常の小さな一コマで「ありがとう」を積み重ね、貯めた「絆ポイント」が、成果として結実する。
「GIVE&TAKE」だとか、「貸し借り」だとか、「施されたら施し返す、恩返し」だとか、似たようなフレーズはたくさんありますが、「絆ポイント」というキーフレーズが、そのニュアンスを最も適切に伝えてくれます。「絆ポイント」を貯めることが結局自分のためになる……。「情けは人のためならず」ということわざも、同じニュアンスですね。簡単にいうと、そういうことをお伝えしたかっただけなのです。
「何だ、それだけか」と思われた方……。この話はまだまだ深いので、もう少しお付き合いください!