例えば……。

保険会社の営業である私とその取引先Aさんの人間関係で考えてみましょう。私とAさんは初対面でした。

私は新任の挨拶回りでAさんのおられる事務所へ伺いました。名刺交換を終えると、Aさんは私にこう言われました。

Aさん「 担当になってもらって早々申し訳ないけど、この契約の事故の対応状況を調べて欲しいんだ、お客様が心配されていて」

「分かりました、この件は急がれていますか?」

Aさん「いや、大丈夫、来週また事務所に来てくれる時までで良いよ」

「かしこまりました」

私は事務所を出て車に戻り、手持ちのノートパソコンですぐにお聞きした事故の対応状況を確認し、事故担当のサービスセンターへ連絡しました。

示談は順調に進んでいましたが、お客様の留守がここ何日か続いており、まだ直接お話ができておらず、進捗の報告が一週間空いてしまっていることが分かりました。私はすぐに事務所に戻り、Aさんに現状を伝え、お客様へご安心頂けるように伝えてもらうことにしました。

次の訪問先のアポイントもあり時間的余裕はありませんでしたが、その訪問先には「到着が10分遅れるかもしれない」と先に連絡を入れて、了承を頂いています。

さて、この対応を受けたAさんは、私に何というコトバをかけますか?

「ありがとう」

そうですよね。「ありがとう」と言って頂きました。