【前回の記事を読む】妻は闘病中…高1の息子「鉛筆の芯の黒い色が恐い」と不登校に
鈴 2019年1月
あけましておめでとうございます
平成31年が明けました。昨年は異常気象やら豪雨、台風、地震と災害の多発で、息つくひまもなかったような慌ただしい一年でありました。新元号元年となる今年は、穏やかで平和な年でありますよう、また皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
先月は次男誠のことを書かせていただきました。今月も引き続き、誠のことについて書かせていただきます。
高校一年生から悩み出し、そのうち学校も行けなくなって家に引きこもり、そんな誠を見て私は若くしてこの子の人生は終わってしまうのではないかと心配し、息子にとっても辛く厳しい日々を過ごすうちに、ある時思い立って精神衛生上に良いというウォーキングを始めました。
毎日毎日二、三時間、自宅裏の堤防沿いの道を、数年間にわたって私と誠の二人で歩いたのです。そのおかげで誠の精神状態が奇跡的に改善してきたことを先に申し上げました。
ところで我が家では私の母が熱心なカトリック信者であり、その影響で家族みんなが信者になり、誠も幼児洗礼を受けていました。ただ誠はカトリック信者であると同時に、仏教にも関心が強く、高野山真言宗の開祖である弘法大師、空海さんを崇拝し、尊敬しておりました。
偉人伝か何かを読んだのでしょうか、六十一年の生涯を通じてそれこそ日本中を巡礼し、各地に大きな足跡を残した日本仏教の巨星です。弘法大師に対する誠の尊崇の思いを知った私は「お大師さんを訪ねて四国八十八カ所霊場巡りに行こうか」と提案しました。誠が28才、私が55才の時です。誠は快諾しました。そして今回は初めてでもあり、歩き巡礼だと時間的にも難しいことから、二人で自転車で巡ろうと決めたのです。
こうして二台の自転車をバンに乗せて行き、宝塚から徳島に向かいました。バンの運転は会社の人が引き受けてくれました。