【前回の記事を読む】親「勉強はしてもいいし、しなくてもいい」子は国立大学へ

第一章 『現在の家族』と『我が家のルール』

我が家のルールその2「勉強はしてもいいし、しなくてもいい」

一カ月後、綺麗な塗り絵の完成と一緒に、九九もマスターした海だった。

それから二年後、碧にも同じような宿題が出た。冷蔵庫の横に塗り絵を貼ったまでは海と一緒だったが、一向に練習をしない碧。碧に「九九の練習はしないの?」と問うと、「うん。面倒くさいけん、せん」という返事。

「宿題だから面倒くさくてもせんといけんし、毎日サボって、最後の日に色だけ塗るなんて、ママは許しませんよ」と言った。すると碧は、へっちゃらな顔で「色とか塗らんよ。そのまま持っていくよ」と答えた。そして、「だって、毎日九九の練習とか嫌やけ。毎日嫌な思いをするくらいなら、白紙で出して、先生に怒られた方がいいけ。怒られて、嫌な思いをするのは一回で済むやん!」と、ドヤ顔で言った。夫はそれを聞いて大爆笑。

「よし! じゃあ、ちゃんと先生に怒られてこい!」

1カ月後、何も塗れていない塗り絵と、全く覚えられなかった掛け算のまま、碧は先生に注意されることとなった。そんな碧ですが、実は、伸びしろは三人の中で一番あったようで、その後、急成長をとげ、中学校入学の際、新入生代表の挨拶をすることとなるのだが、この時は、誰も知らない。翌年の空は、適当に練習をし、適当に色を塗って、要領よくこなした。

勉強に対する考え方も三者三様で面白い。この体験で私は勉強に対する姿勢を子どもたちから学ばせてもらいました。真面目に頑張るのも良し! 正直なのも良し! 適当なのも良し!