私と母は、友達のような関係だった。いっつも冗談ばっかり話していて、実家にいるといっつも一緒にいて周囲の人から、「漫才を見ているよう」と言われた。初対面の人にも同じように言われた。

車に乗っても、二人とも地図が苦手で、母が地図を見て「右折」のところを「左折」と言って「左折」と聞いて、間違って「右折」をし、結果オーライのようなことも、度々あった。母が疲れた、もう歩きたくないと言うのに、買い物が好きで、あそこに寄ってそこに寄って(とってもふくよかだったから)「転がして帰るよ」って言ったら「いやー。タクシーで帰る」と言うような掛け合いのような話をよくしていた。

車で、ちょっと遠出をしたら、今の店寄って、あの店寄って、目的地にはなんとかギリギリたどり着くぐらい買わないから、ウインドーショッピングになるのかな? 学校の先生が、「マイカー」を買ったと自慢してたよと言ったら、あなたも似たのを持っているじゃない。

「……なに?」

「そう、マーカー、ほら、ピンクとか黄色の」

「……」

隣で事故があったら

「びっくりして声が出ないから、救急車呼んで」

とりあえず救急車呼んで。

「それだけ、大声が出れば大丈夫だよ」

と声をかけた。夜中に勉強をしていたら、ジュースの差し入れがあり、そんな気遣い等あったことがなかったので慎重に口をつけたら、お酒。母はお酒が飲めず、ジュースと思って買ったらしくお酒だったから、最初に酒好きの父に飲ませようと父親に甘いと嫌がられたらしく私に飲ませようというたくらみだったみたい。未成年にしかも勉強中にお酒を飲ませようという。恐ろしい母。