第3章 骨粗鬆症の食事

カルシウムCaの必要量は? 1日700〜80㎎

骨粗鬆症の予防や治療にはカルシウムの摂取が700〜800㎎/日必要とされています。50歳以上の食事摂取推奨量は男性700㎎/日、女性は650㎎/日です。しかし、日本人のカルシウム摂取量は平均517㎎/日と、不足しているのが現状です(文献②)。骨の成長期には800〜1000㎎/日のカルシウムを必要とします。

成人になってからも骨は毎日活発に新陳代謝を繰り返しています。そのためカルシウムが不足すると骨粗鬆症になるだけでなく筋肉のけいれんが起こります。カルシウム強化食品やサプリメントでCaをしっかり摂ることは問題ありません。耐用上限量は男女とも2500㎎/日です。それをを超えないようにしましょう。

カルシウムが過剰になりすぎると、腹痛、吐き気、便秘、口渇など症状が出現し、重症になると腎臓に障害が発生したり、体に力が入らなくなり意識障害をきたして、不整脈で命を失うこともあります。特に、骨粗鬆症の治療薬の中にはカルシウムサプリと一緒に服用すると高カルシウム血症を引き起こす薬剤(活性型ビタミンD製剤)があるため注意が必要です。

すでに骨粗鬆症薬を服用している方は、主治医に相談するとよいでしょう。カルシウムを多く含む食品を毎日しっかり食べましょう。何をどれくらい食べればよいかわからない方が多いと思うので、次のページに各食品に含まれるカルシウム量を載せておきました。

[図表3]骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版

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