イタリア料理といえばパスタ、スパゲッティではなく短めのヌードルとマカロニの2種類が少なめの量で一皿に載せられていました(もっと食べたい人用には別のお皿にリゾットが用意されています)。
ロンドンでもイタリア料理店は多いのですが、違いは2点。1つはパスタが少なめでメイン・ディッシュに差し支える量ではなかったこと。2点目はパスタの茹で加減、茹ですぎにならず適度の固さが残っており絶妙です。
米国ロー・スクール留学時のイタリア人同級生Wさんに教えてもらいましたがイタリアでは昼食が中心で残り物は夕食で食べるとのこと、ロンドンのイタリア料理店は夕食持ち帰り分も含めたと思うくらいの量でとてもメイン・ディッシュまで取る気にはなりません。もう1つ彼が言っていたのはパスタの茹で加減で「これはイタリア人でなければできない」そうです。
メイン・ディッシュは蒸し焼きの魚、オリーブ・オイルを使っていますが淡白で日本人の口に合います。イタリアでも北部はフランスの影響で一部バターを使うようですが、ナポリではバタ臭さは一切感じませんでした。
これ以外にシャンパン(シャンパーニュ産の本物のシャンパンではなく、発泡性ワインだったと思います)、口当たりのいい白ワインが一本、アントレ(スモークサーモン、ハム等の盛り合わせ)、サラダ、デザート、コーヒーそれに食後酒がついてカンツォーネ・ショー込みの値段が10万リラ(日本円で約7,000円)。一人でしたのでワインはほとんど残してしまいました。
もう1つ面白かったのは道路の渡り方で、車の運転者と歩行者との微妙な間合いというか呼吸があって旅行者は戸惑います※1。ロンドンでは歩行者は車が来なければ赤信号でも無視して渡りますがナポリでは信号機が少なくまた交通量が多く車の途切れることもないため、様子を見ながら勇敢に車道に歩き出していくのがコツのようです。車の運転の様子を見ていても、心配性の妻に止められなくても交通量の多いイタリアの市内を運転する気にはなりません。
南ヨーロッパの11月はいつも暖かい日差しを楽しめるわけではなく、今回のナポリ旅行は全体に曇りがちで日曜日午後には小雨も降りました。ただ日曜日のロンドンは最高気温5度とのことで、寒い思いをしなかっただけ儲け物です。
ナポリは南北所得格差の大きいイタリア南部の中心都市で泥棒の多いことで有名ですがそれほど気にするような気配はありませんでした。リスボンでもすりに気をつけなくても良かったのは、観光客も少なくすりも稼ぎ場所を移動していたのか休暇中だったのかもしれません。
※1:道路の渡り方について銀行山岳会の友人から感想が寄せられました。以前築地支店に勤務したことがあって、築地市場でのターレ(ターレットトラック<【英】turrettruck>は、円筒形の動力部が360度回転する構造の運搬車)の運行をハラハラしながら見ていたそうです。一見無秩序に見えますが運転者と歩行者の阿吽の呼吸があるようで混沌の中の秩序と言っていました。