三食とも隣の小さな家からお母さんが運んでくる。食べるときは直径一メートルくらいの大きな金属製の平たい盆のような容器の上にこれらを載せ、その周りにみんなで胡坐をかいて食べる。それはわれわれ二人に、B兄弟の三人、彼の友人の六人の若い男だけ。他の家族は別の場所で食べたようだ。

食べるときはナイフ、フォークは使わず、もっぱら手で食べる。食器も一人一人に食べ物を盛るのではなく、同じ容器からみなが一緒に食べる。そして、食後には必ずチャイと呼ばれるお茶が出るが、これは一日のうちに何回も出る。

回教徒は家父長制度が強いのか、B兄弟のうちでも兄はあまり動かず、次男が食事の世話をしたり、お茶を入れたりする。そして、お母さんは食事を持ってくるが、すぐに引っ込む。

夕食が終わって夜になると、続々とたくさんの人が集まってきた。珍しい外国人が来たというので、B家の一族郎党や友人が集まったということか。みんな男で、女性はいない。一個しかないストーブの周りに座る。日本の畳のように、みんなで車座に座る。

椅子の生活に慣れたので、胡坐だと腰とひざが痛い。そうしているうちに、一人が立ち上がって金属の盆を持ってきて木の棒で叩いてリズムを刻みだす。誰かが歌う。誰かが踊りだした。酒も飲まないのに、男の大人が歌い、踊る。手に布切れを持って腰を振り、布切れを手で振り回し、足を上げ、シリアンダンスの始まり。

われわれにも踊れというので踊る。ゴーゴーもシリアンダンスも。そして日本の歌も、小原節も炭坑節も。みな歌い、踊る。とても楽しい。

B家の内部