午後八時半までキャンプファイヤーでの競演は続き、各班はバンガローに帰り、シャワーを浴びた後、午後十時半就寝と予定表に記載されているが、いずれの班も十二時前後まで駄弁り続けていた。起床は午前六時であったが、予定表には午前六時三十分よりラジオ体操があり、午前六時二十分にはキャンプファイヤーの場所に集合することになっている。
二十班もあれば一班ぐらい遅刻するだろうと国田は予想していたが、やはりラジオ体操第一が始まる直前に六人が走ってきた。国田は冷たい視線で睨み付けた。すでに集合していた学生たちの最後尾に六人がうつむき加減で並んだところで、丁度ラジオ体操が始まった。明日の月曜日に登校した時に、国田は遅刻した六人を咎とがめるであろう。
ラジオ体操が終わり、各班は朝食の準備にとりかかり、味噌汁、焼き魚などの朝食を終えて、炊事器具、食器を洗い、整理整頓した。各班はバンガロー内外を清掃し、帰路の準備を予定通りの午前十時に終えた。午前十時半にキャンプ場を後にして、バスは出発した。
各学年のバスの中では実行委員を中心として合宿研修会の反省会を開いた。国田の指示により、反省会については各学年実行委員会の簡単なレポートを提出させることにしていた。国田は学生の課外活動の指導も徹底しており、全学生を自分の支配下に置いて、学生の行動や心理をもコントロールしているのである。