【前回の記事を読む】イングランドに次ぐ商業都市。中世の街並み残るノリッジを巡る

1998年10月31日-11月1日(土・日) ハンザ同盟都市紀行

-港湾都市ハンブルク、赤レンガのハンザ同盟の中心都市リューベック、旧東独のロストック-

金曜日は夕方5時にデュッセルドルフ支店の出張を切り上げて5時半の列車に飛び乗りハンブルクには9時過ぎに到着、金曜日夕方出発方式にすると土曜日・日曜日の2日間がフルに活用できます。帰りの飛行機がハンブルグ発なのでハンブルグ観光は日曜日に残して先にロストック、リューベックのバルト海沿岸の中世の港町を観光することとし、土曜日早朝の列車でロストックに向かいました。

デュッセルドルフ支店のドイツ人に聞いたところハンブルク、リューベック、ロストック、ブレーメンの4都市がハンザ同盟の中心で、その中でもリューベックが同盟の盟主だったそうです。

土曜日に訪問したリューベック、ロストックは古い建物、教会が一部残った城壁、塔に守られた狭い市域に密集しており町の雰囲気もよく似ています。教会等の古い建物は皆赤レンガ造りで、鋭い尖塔がこの地域の教会建築の特徴のようです。

 

14世紀に最盛期を迎えたハンザ同盟都市ですのでお金がなかったはずはないのですが、石造りでないのは北ドイツ平原の真ん中で近くに石切場がなかったためと思います。

また旧西ドイツ側のリューベックと比較するとロストックの寂れた様子が印象的で2月に観光したドレスデンを思い出しました。ベルリンでは建築ラッシュで旧西側との違いは気が付きませんでしたが、ロストックもドレスデンと同様西側並みになるまでには時間が掛かりそうです。

ハンブルクはドイツ最大の港湾都市で、欧州最大の港湾都市ロッテルダムがライン川河口に位置するのに対しドイツ中央部を縦断するエルベ川河口にあり、上流にはドレスデンさらにはプラハのあるボヘミア盆地まで達し、地政学的にもドイツ最大の港湾都市となる要素があったようです。

 

神戸港や横浜港と同じく港内クルーズが観光の目玉になっており、北風に吹かれて寒い思いをしましたがドイツ有数の産業港湾都市の活気を感じました。また美術館・博物館も充実しており日曜日にハンブルク市立美術館、ハンブルク歴史博物館を回りましたが、ハンザ同盟の歴史やハンブルク市、ハンブルク港の展示がありリューベック、ロストックを回ったあとでは関連も分かり興味が湧きます。

市内の人造湖アルスター湖の近くには美しい建物、住宅が並び「ドイツ古都12選」とは違う近代的な都市としての魅力があります。ハンブルク市庁舎は19世紀末の建築でリューベックの市庁舎のように歴史はありませんが宮殿のような豪華さで中世以来の繁栄と富を象徴しています。内部観光のガイドさんの話ですと、ハンブルクはベルリンと並び一都市で一州を構成する都市でまた第一次世界大戦まで他のドイツ諸侯と同列の領邦としての地位を保っていたそうです。

最後に一言、秋の北ドイツ都市の印象は天気が悪く、暗くて寒いことです。気分転換にクリスマス前に南国の太陽を浴びに行ってきます。