大きく沸(わ)き立つ波頭を切り裂き、獲物目がけて疾駆する船。「なぜ備えぬ!」その船の中で石動 (いするぎ)は怒(いか)っていた。あの船にとって我々は迫り来る嵐に他ならない。あの時、我々を見た時に動いていればこの海なら逃げおおせたはずだ。だが、今にいたるも動かず、まだ、釣りを続けている。「それほど釣りが大事なら、三途の河で好きなだけ釣るがよい」石動の腹がようやく定(き)まった。白く泡立つ渦の中にな…
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