倉田 裕美

1947年、神戸にて生まれる。 大阪府立豊中高等学校卒業。三年の就職経験を経て、結婚、専業主婦に。 子育ての後、46歳から65歳まで20年の職業経験あり。 文筆活動は趣味の程度で、細く長く続けている。

掲載記事

書籍

  • 乙女椿の咲くころ
    倉田 裕美
    出版社名:幻冬舎メディアコンサルティング
    第二の人生、第三の人生、予想だにしなかった展開と悲喜こもごもの日々――
    見上げた満天の星空が励ましと希望を与えてくれる。これまでの紆余曲折を愛しく振り返る私小説。

    「だいぶ経ってから帰ってきた父は、腕に椿の苗木を一本抱えていた。そのまま黙って庭の隅に行き、スコップで土を起こして穴を掘り、その苗を植えた。後から見に行ってみると、父が植えたその細い椿の木には、『乙女椿』と書かれた名札が付いていた。娘の門出の記念に、この苗木を植えた父の心を思い、胸がちくちくしたのを覚えている。」 (本文より)