一郎は自分がうぬぼれていたと、強く思った。「自分にもっと力があったなら自分の目の前で、四人もの人が殺されることはなかったはずだ」と思った。一郎は幼い頃から霊媒体質だった。小学生高学年になってから、その忌まわしい体質は強くなり、動物霊などが突然頭や背中に乗ったり、金縛りにあったりするようになった。霊は見えないし自分に何が起こっているのかなど、子供にわかるはずはなかった。しかし霊が見えないかわりに感…
[連載]除霊堂奇譚
-
小説『除霊堂奇譚』【第6回】吉田 開
「この野郎、ぶん殴ってやる!」霊媒体質の男が“除霊能力”を手にした事件
-
小説『除霊堂奇譚』【第5回】吉田 開
【ホラー小説】死因は全員心臓麻痺…8人死亡の恐るべきナゾ
-
小説『除霊堂奇譚』【第4回】吉田 開
「三人ー寄れば 地獄行きー」恐怖で体が動かない中、奇妙な唄は続く
-
小説『除霊堂奇譚』【第3回】吉田 開
【小説】恐ろしい…中年男性「もう、外には出られないんだよ」
-
小説『除霊堂奇譚』【第2回】吉田 開
邪気が立ち上る場所にいた「地縛霊」が人間に憑りつく理由は…
-
小説『除霊堂奇譚』【新連載】吉田 開
【小説】エリート一家の落ちこぼれ…そんな彼は「霊媒体質者」だった