涌井さんが伸びてしまっている。奥さんが「もう遅いのでここに置いていきます」と言って帰っていった。私は台所で片付けをしている。舞ちゃんが手伝ってくれている。私も結構酔っているのだが、頭は朦朧としていても体はまだ動く。涌井さんに毛布をかけてから、私は失礼した。肌寒い。雄二が送ると行ってくれたが、タクシーはすぐ捕まるので大丈夫だと断った。真夜中のタクシーに乗り、私は無事に家に帰った。無事帰ったと雄二に…
[連載]卵の殻が割れなくて
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小説『卵の殻が割れなくて』【第5回】川端 ケイ
「どうぞ。今日の講習は無料ですよ」私の料理人人生を決めたひと言
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小説『卵の殻が割れなくて』【第4回】川端 ケイ
卵を割れない女性料理人が胸に抱えた「堪えがたいこと」
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小説『卵の殻が割れなくて』【第3回】川端 ケイ
精神クリニックで「卵殻割り恐怖症」と診断されて…
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小説『卵の殻が割れなくて』【第2回】川端 ケイ
【小説】父に離婚の理由を聞けないのは「語学力がないから」
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小説『卵の殻が割れなくて』【新連載】川端 ケイ
【小説】副料理長の女性「卵の殻が割れなくなってしまった」