【前回記事を読む】道ですれ違っても無反応になった友達は家にこもりきりに…ある日戸が開け放たれ、葬式出入りが始まって、死んだことがわかった。私が彼に初めて逢(あ)った日、犬挟峠(いぬばさりとうげ)の麓(ふもと)の居酒屋で独り酒を飲んでいると、彼が入って来て向かいの席に坐(すわ)り、見知らぬはずの私に自分たちの原始からの永遠の魂(たましい)について話し出した。私はその少しく猟奇(りょうき)的な話に耳…
[連載]荒野の果て
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エッセイ『荒野の果て』【第6回】田中 敏之
【鳥取・倉吉】地名についた「クラ」の意味——「神楽(かぐら)」・「鞍馬(くらま)」と読むように、神の魂が関係していて…
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エッセイ『荒野の果て』【第5回】田中 敏之
道ですれ違っても無反応になった友達は家にこもりきりに…ある日戸が開け放たれ、葬式出入りが始まって、死んだことがわかった。
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エッセイ『荒野の果て』【第4回】田中 敏之
彼は私の差し出した瓶の酒をラッパ飲みすると、虚ろな顔で湯の中に滑り込み、沈んだまま浮かんでこなかった…
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エッセイ『荒野の果て』【第3回】田中 敏之
親不孝のかぎりを尽くし母を泣かせた私。自分の死を予感するようになり母の骨を手に入れようと姉に頼むと…
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エッセイ『荒野の果て』【第2回】田中 敏之
母を拒絶し厄介払いにして、酒を飲む日々。母のことごとを、ほとんど無感覚に受け流していった。そして母は肺炎を患い...
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エッセイ『荒野の果て』【新連載】田中 敏之
小春日和の下、山際の小道を駆け上がりはじけるような声をあげて笑う母――しかし、それが私の覚えている母の最後の笑顔となった